雑感 -法隆寺-

奈良の法隆寺を作った、正確には作り直した、
宮大工の棟梁、西岡常一氏の著書「木のいのち、木のこころ」を読んで感激しました。
建築学の学者と論争して、法隆寺をコンクリートと鉄骨を使うことなく、
檜で作り直した信念の人です。
木で作って千年もった建築がここに存在するのですよ、
と言って自説を曲げなかったそうです。
千年育った檜は材になっても千年もつそうです。
槍鉋(草刈鎌を大きくしたような宮大工さんの道具)一本で材木の面をきれいに出してしまう。
柱はその檜が森で育った日当りの向きに合わせて立てるそうです。
「檜は材になっても生きていますのや、
千年たっても鉋をかけてやれば、いい匂いがしまっせ。」
と書かれています。
まさに木の心のままに作っているのですね。
そこには理屈よりも事実の積み重ねが山ほどあるようです。
こんな高尚な域にはとてもと思いつつも心意気だけは飛鳥の工人を見習いたくなります。
建築現場の大工さんと親しくなってもらってきた古材。
汚れて焚き木にもならないかと思われる材木に、鋸を入れ鉋を当てたときに出会う、
さわやかな木の香、木目の通った木肌にはいつも新鮮な発見があります。
なんと言っても「作る」が原点だよね、
とつぶやきながら、休みには我が家の工房で木屑にまみれています。

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