A journey of a thousand miles begins with a single step – Woodworking and Photos

むささび工房ブログ

むささび工房

 
  2019/01/13

名前の由来
 1990年代、我が家は子育て真っ盛りでした。夏休みには信州軽井沢で休暇を過ごすことが多く、その一こまに、星野温泉の野鳥研究室(現在のピッキオ)主催の自然教室がありました。滞在中はほぼ毎日夕刻に開催される教室に参加していました。
ある日、夜の森を観察するイベントがあり、子供たちを連れて森の探索に出かけました。
日が落ちて、森に入ろうとしたとき、案内の先生が、「運がよければあの梢から飛び出してくるところが見られますよ」と説明を始めました。そして、みんなが目を凝らして見ていた梢から、四角い形をした座布団のようなものが地面に向かって舞い降りてきました。ムササビです。夜になると活動を始めるようです。地面に降りたムササビはまた直ぐに木に登ります。天敵を避けるため、なるべく地面を走る時間を少なくして移動しているそうです。枝の密集した中を適当な梢まで一気に駆け上ります。なんとも軽快でユーモラスな仕草でした。

 そのころ趣味の木工を行う場所が家の中でなかなかもらえずに困っていました。訳あって建て増しを続けていた古い我が家には階段が2ヶ所ありました。そこで、1つを使わないことにして、その階段と上りきったところの半畳ほどのおどり場を木工を楽しむ場所として使っていました。狭い場所にいろいろな機械を置いての作業ですし、何しろ家の中ですから木屑をいつも綺麗に片付けなければならず、文字通り上へ下へと行ったり来たりして木工を楽しんでいました。
そんな矢先に見たムササビの飛ぶ姿は、なんだか階段の工房で駆け上がったり駆けお降りたりしている自分の姿に見えました。そんなことからいつしかこの工房を「むささび工房」と呼ぶようになりました。

新しいむささび工房
 その後古いキッチンを工房にしたりしながら、2000年ごろ、もっとまじめに木工をやりたいと思って、庭の片隅に小さな木造の小屋を建てました。新木場の材木会社が輸入販売しているJ STYLEというブランドのシダージェット社の組み立てキットを購入し、子供たちと一緒にワイワイ騒ぎながら建てました。とっても楽しかったです。組み立て自体はちょっと力が必要なところもありますが(特に屋根)、インパクト・ドライバーがあれば概ね簡単に作業は進みます。一番難しいのはなんといっても基礎作りで、土を固め水平を出して土台の材木を置いていくまでが何度も何度も試行錯誤してやっと落ち着きました。それでもいつか土台が沈下して小屋が傾くのではないかと心配しきりです。その時はその時と割り切って建てるしかありません。それから4年後にもう一つ同じような小屋を継ぎ足して少し広くしています。
 現在のむささび工房はギャラリーにもあるように横長で右側の屋根は最初と異なる部材で葺き直してあり、左側はこれから葺き直します。とにかく雨漏りは大敵で、工具や機械類が一晩でさび付いてしまいます。幸い今まで大きな雨漏りはありません。

工房の機械類
 狭いのが難点ですが頑張って大きな機械も入れています。大物は14インチのバンドソー、そして木工旋盤と集塵機といったところです。一番の働き者はバンドソーです。電動丸鋸を据え付けた昇降盤を使っていた時期もありますが、騒音も含めて歳と共にだんだん恐ろしくなってきてバンドソーに替えました。バンドソーも木工旋盤も安全で音も静かなので真夜中の作業も問題ありません。

 

その他、必要と物欲に任せていろいろな機械があります。ボール盤、電動サンダー、電動糸鋸、電動カンナ、卓上バンドソーなどなど、そして機械ではありませんがお気に入りのショーベリー社(スェーデン)の作業台があります。

設計作業用の自作の机や小さなテレビと簡単なステレオ装置に、窓用エアコンも付けてあるので一年中、一晩中、快適に作業ができます。

とにかくこのむささび工房に入れば童心に戻り、もの作りに没頭して、夜が明けるのも忘れてしまいます。

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