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むささび工房ブログ

4×4 アンプ/スピーカーセレクター
ラックスマンAS-5IIIの改造

2020/06/21
 
4×4 Speaker Selector
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 世の中には有りそうで無いものが沢山あります。と言うか、有っても法外に高価で手が出ないものが多いですね。だから中華製品に人気が出るのでしょうか。スピーカーセレクターもその一つだと思います。
 我が家のオーディオシステムのネットワーク化については既報の通りですが、メインのシステムは、スピーカには、フロアー型、複数のブックシェルフ型、更にサラウンド用があり、アンプ(ソース)には、真空管アンプ、トランジスタ―アンプ、そしてAVアンプやNINTENDO SWITCHなどがあります。それらを簡便な操作で自由に組み合わせてその時の雰囲気で楽しみたいものです。それを実現するには、3×3 できれば 4×4のセレクターが必要になります。
 以前に、ロータリースイッチを2つ対向で使った3×3のセレクターを作りました。

4×4 Speaker Selector

4×4 Speaker Selector

ところが、その時はオーディオを甘く見ていて、グランド(接地側)は同じなんだからと考えて、スイッチで切り替えるのはプラス側だけで行って、マイナス側は共通で配線しました。これで制作は随分と楽になりましたが、実際使ってみると、スイッチの選択状態によってはブーンというノイズが入り使い物になりませんでした。正確にはわからないのですが、単純に共通接地だからと考えて行ったことが間違えだったのでしょう。スピーカーラインのマイナス側はシステム(アンプ)によっては浮ている場合もありますし、同じグランドでも電位差があります。それを無理やり他のアンプのマイナス側と共通にしたので、ラインのノイズが入ったり、あるいはループができて発信状態が発生したものと思われます。その後、既製品の仕様をいろいろと調べたら、定評のあるメーカ品はすべて、プラス、マイナスをペアで切り替える構造になっていました。それを高品質の売りにしている状況でした。
 そうすると当然コストも制作費も上がり、中華製品は別として、国内の主なオーディメーカーから出ている製品でバナナプラグが使える仕様だと3×3でも5万円以上するものが多く、ちょっと悩みます。
 そこで、見つけたのがラックスマンから出ているスピーカーセレクターAS-5IIIです。

これは1×4なので切り替え数が少なく、その上端子がバナナプラグ仕様になっていないので、私の条件からはそのままでは使えません。でもとりあえず品質確認のつもりで1台購入して使ってみました。プッシュボタン式で使い勝手は大変良好です。心配していた音質への影響ですが、私の聴力ではまったく劣化が認められませんでした。さすがラックスマンの人気商品だけのことはあります。ハイエンドオーディオと呼ばれる世界に住んでいる方の中にはオカルトチックなスピーカーケーブルにハマっているマニアも多いそうですね。そういうマニアから見れば、アンプとスピーカーの間に余計な接点となるセレクターなんぞを挟むこと自体が論外なのはよく承知しています。でも、AS-5IIIに限って自分の耳で確認した限りにおいてはなんの問題もなく、スピーカーを簡単に切り替えて楽しむことができるという利便性だけが光ります。

 そこでもう少し調子に乗って、このAS-5IIIを2台対向に接続、すなわち4×1に1×4を接続して、4×4のセレクターとすることを考えました。これは、ラックスマンの説明書にも使い方の例として載っています。

4×4 Speaker Selector

4×4 Speaker Selector

さっそくAS-5IIIをもう1台購入して、対向に接続して複数台のアンプとスピーカーを接続して使ってみました。すばらしい使い勝手です。これが実現したかった機能です。使い勝手の一番の要因は、プッシュボタン式の切替機構です。おまけにヘッドフォン端子まで付いていてどのアンプからの音もヘッドフォンでも楽しむことができるのです。
問題は、2つの箱を配線ケーブルでつないで並べているのと、接続端子がバナナプラグ用でないこともあって、いかにもバラック仕立てと言う感じで、システム周りがすっきりしません。

 ということで、前置きが長くなりましたが、このAS-5III2台を解体、合体して、1台の4×4セレクターを作ることにしました。使い勝手と音質維持を支配しているのは、プッシュボタンスイッチとそれを組み込んだボード及びその周辺の配線だと理解しました。そこで、その部分をそのまま取り出し、ランバー材を使った自作の箱の中で直結させることとしました。

難しい工作ではないのですが、ラックスマン品質を維持するために、プッシュボタンスイッチのボードとそれに付いている配線とコードのみを使い、その他に配線は何も加えないこととしたので、配線の長さが制限されます。接続端子への配線や、プッシュボタンスイッチ同士の位置を考えて箱の中にどう収めるかが問題です。箱の上にものを置いてもプッシュボタンが誤って押されてしまうことのないように、ボタンの先が箱の表面より上に出ないように取り付けることにしました。

ちょっともったいないのですが、AS-5IIIの接続端子は使わず、amazonで別途バナナプラグ用の端子を購入して付けることにしました。4×4となるので、バナナプラグ用の端子を全て、すなわち32個装着するとなかなか壮観です。このおかげで重量もしっかりあり、多少ケーブルで引っ張られても安定感があるようです。

仕上げは、黒塗りとして、白い文字を貼り付けることにしました。実は黒く塗り始めた直後に、「やっぱりグレーだったかなぁ」と後悔したのですが、時すでに遅しでした。まぁ、出来上がってみるとそれなりに見栄えが良いです。

 このセレクターはラックスマンAS-5III(実売価格9000円)2台を解体し、バナナプラグ用端子36個(約15000円)、その他は工房の常備品で、計約33000円也というところです。既製品で使えそうな3×3、4×4のセレクターだと7万から15万円程度であるようですが、プッシュボタンのものは見かけません。ということで、出費的にはそれほどお得な自作ではありませんでしたが、使い勝手と音質にこだわったものに仕上がったので、一応満足しています。

neko

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