バンドソーボックス The Junction(Cube から名称変更)
Part Ⅱ 制作編
先ず初めに、制作するバンドソーボックスの名称を、”The Cube”から ”The Junction”に変更したことを報告します。Cubeってちょっとかっこいいネーミングかなと思ったのですが、意味的には(英語圏での)ただ立方体であるという形状を表しているだけ(私の理解不足かもしれませんが)なのであまり印象的でないように思えました。もっとこの箱の特徴を含みを持って表す名称にしたいと悩んでいるときに、横から妻が「ジャンクションて交差点という意味だよね」とささやきました。うーん、そうか、引出しが箱の中で交差するのだから、これかな、と思い、横文字にするとなかなかかっこが良いので、これにしました。
製作はPartⅠ構想編で紹介した14のステップに沿って進めました。課題は、この手順で作ることで、バンドソーのみを使って四角い木製のブロックの中に側面からの4つの引出しを作り込んでいけるかどうかです。もしも手順に誤りがあると、各引出しの穴が正常に切り出せなかったり、最悪の場合、立方体のブロックが分裂してしまったりと心配事が残っていました。でも心配していても仕方がないので手順に沿って作ってみることにしました。制作過程はStepごとにムービーにしました。すべてに楽しいBGMを付けましたので音を出しながら観ていただけると嬉しいです。
Step0 は、前もってPartⅠ構想編で実施した立方体の制作です。材料は入手の簡単な杉板を使います。
Step1 は、sideAの引き出しを切り抜く(Step2)ために、sideCのline a(Step0の図で示してある内側のライン)に沿って引出しの穴の後ろの板を切り取ります。sideDの板を切り取る目的は、sideAの引出しを切り抜くバンドソーの切りはじめのラインを後で隠せるようにすることと、sideBの引出しを切り出す(Step4)ための準備です。
Step3は、sideBの引出しを切り出すとき(step4)のバンドソーの切りはじめのラインを後で隠せるようにするためと、sideCの引出しを切り出す(step7)準備です。
Step5、6はsideCの引出しを切り出す(step7)ための準備です。Step5はその表となる板を戻して接着します。Step6は引き出しを切り抜くときのバンドソーの切りはじめのラインを後で隠せるようにするためと、sideDの引出しを切り抜く(step9)ための準備です。
Step8は、sideDの引出しを切り抜く(Step9)ために、その表となる板を戻して接着します。sideA側に突き出た部分は、引出しを切り抜くときのバンドソーの切りはじめのラインを後でを隠せるようにするために切り落としておきます。
これで4面とも引き出しを切り抜きました。Step10は、sideA,sideBに、切り取った板をすべて戻して接着し、最初の立方体の形に戻します。
Step11では、sideA~sideDの4面の表面をline b (Step0の図で示してある外側のライン)で切り取ります。これは各面のダミーの引出しの表面を作る(step11)ためです。
Step13では、ダミーの引出しの表面を作るために切り取った板を、sideA~sideDの4面に戻して接着します。元の立方体に戻りました。
Step14は手順としては最後となりますが、することが沢山あるので、3つに分けて説明します。
先ず、立方体の6つの面をサンディングします。立方体はこれまで文字通り切ったり張ったりを繰り返しているので、形状は正確ではありません。サンディングで立方体の直角や各辺の長さを正しく調整するように努めます。
次いで、ste2,4,7,9で切り出した引出しのブロックから引出しを作ります。各引出し挿入部にブロックを入れて現物合わせで、引出しの前板と後板の切り込み位置と厚さを割り出して、切断します。引出しブロックをくりぬいて、前板と後板を取り付けて、4つの引出しが完成します。むささび工房での時間を忘れた徹夜の作業も、いつしか夜明けを迎え、窓に朝日がさしてきました。
いよいよ本当に最後ですが、step12で切り出した、ダミー引出しの前板をサンディングで成形して、切り出した元の位置に木目を合わせて接着します。すべてのダミー引出しの前板を取り付けたら、各面の引出しも挿入して、各面の凸凹をサンデイングして平らにします。この状態で、ワックス(今回はビーズワックスを使用)をかけるのですが、引出し前板のノブを取り付ける部分は接着剤を付るためにマスキングしておきます。6面共一通りワックスがけが済んだら、ノブの取り付けです。あらかじめ作っておいたノブを引出し前板の中央に接着していきます。
うーん、どうにか完成です。考えた手順に誤りはなかったようです。この手順が最適かどうかは検証されていませんが、そんなに無駄は無いように思います。ここで紹介した制作過程にプロ―モーションムービーを付けてYouTubeにアップしようかな、なんて考えているうちにすっかり夜が明けて、猫たちも食後のひと眠りとなっていました。