A journey of a thousand miles begins with a single step – Woodworking and Photos

むささび工房ブログ

ロールトップ・バンドソーボックス
- キャンディーボックス -

 
candy-box
この記事を書いている人 - WRITER -

また愚痴から始まります
 曲面状のふたがスライドする形式のバンドソーボックスを作りました。普通のバンドソーボックス(引き出し式)と区別して、この形式をロールトップ型と呼ぶことにします。2012年に”The Moon”と称して、このロールトップ型のバンドソーボックスをYouTubeに投稿し、海外の木工家から好評を得ました。多分これがロールトップ型の作り方を紹介した初めてのYouTubeだったのだと思います。2019年に北米の木工家が私の作品のデッドコピーを製作しその工程をYouTubeに紹介しました。これにはちょっと頭に来ました。それは私自身、研究者としての生活が長かったので、趣味の木工作でもオリジナリティーを旨として作品作りを楽しんでいたからです。でも考えてみれば、YouTubeの世界は人真似が否定されているわけではなく、まして、趣味の世界ではお互いがYouTubeで発表した作品を真似たり参考にしあったり。時にはパクったりしているわけですから、頭に来る方がおかしいのかなぁと気を取り直しました。とは言え、私は、YouTubeを見て真似した作品を投稿する場合は、そのオリジナルの作者へのリスペクトをこめてリンクで紹介をするように心がけています。
本論
 愚痴っぽく始まりましたが本題に戻ります。今回製作したのは、前回のThe Moonの制作工程を見直して、かなり作りやすくなっています。私の木工の楽しみ方の一つに、工作の上手下手を別にして、工作の手順やちょっとした段取りの工夫で、難しいと思っていたものを実現する方法を見つけることがあります。バンドソーボックスの分野としては、サンディングを除いて、切削にはバンドソー以外のツールを極力使わないで作るという暗黙の合意があります。この合意の制約の中で考えるのもまた楽しいものです。今回の作品もバンドソーだけでほとんどの工作過程が遂行できる方法です。
今までと少し違うのは、先日導入したPegasのスクロール・バンドソーも使っているところです。つまり、従来のバンドソー(KERV-DF-14)との2台体制です。この2台体制の状況については別途改めてブログで紹介します。
 今回のロールトップ・バンドソーボックスはテーブルに置いておくお菓子箱を想定しています。キャンディーボックス(Candy Box)です。小ぶりでも内容積の大きいものをと考えました。基本的な構造は単純です。次の図面でもわかるように、円状のロールトップがガイドに沿って回転して、開いたり閉まったりします。

問題は制作の手順です。サンディングを除いてバンドソーだけで実現しました。構造も制作手順もほぼ同じで2種類の形態を作りました。ロールトップが左右に開くようにスライドする両開ロールトップ(タイプA、左2枚の写真)と、ロールトップが一方向にスライドする片開ロールトップ(タイプB、右2枚の写真)です。どちらも開口の大きさと内容積はほぼ同じです。

 

材質は、帯状のデザインとなる合板(シナ共芯)を杉材で挟んだブロックから切り出し、両側を桂材の板で挟みました。両側の桂材には我が家の猫をモチーフにしたポイントを付けました。猫とキャンディーはなんだか相性が良いように思います。シルエットで我が家の愛らしい猫の雰囲気が伝えることにこだわりました。撮りためた写真の中から次の2枚を選んでみました。

タイプA用の図柄の猫(上記写真左)は、ノルウェージャン・フォレスト・キャット(Norwegian Forest Cat)です。長毛種ですがクロネコなのでシルエットには向いているし、耳がピンと立っているので特徴がはっきりりしています。髭もしっかりあって面白いのですが、さすがにそこまでは表現できません。アニメ「魔女の宅急便」に出てくる黒猫ジジに似ていてとても甘え上手な猫です。写真は彼女が庭を眺めているいつもの後ろ姿です。

タイプB用の猫(上記写真右)は、ロシアンブルー(Russian Blue)です。彼女は一昨年まで長野市のおばあ―ちゃまの家に住んでいましたがわけあって我が家に引っ越してきました。すこしブルーがかった綺麗なグレーの短毛種です。写真は長野にいた時に撮ったものです。見返り美人図のような構図で気に入っています。ちょっと猫背の特徴もよくでていますよね。いつも私の腕を枕にして一緒に寝てくれるとっても情の深い猫です。

製作過程をいくつか載せますが、いつものように動画にしてYouTubeにも投稿しました。

動画の最初の紹介部分は、キャンディーボックスですから楽し気でカラフルな雰囲気が良いかと思い、妻からもらった生地をバンドソーの上に敷いてみました。39秒のあたりでこの生地を引き抜いてバンドソーボックスの世界へ移っていくというシナリオなのですが、果たしてそんな雰囲気が伝わっているでしょうか。

 

candy-box

candy-box

この記事を書いている人 - WRITER -

Copyright© むささび工房ブログ , 2021 All Rights Reserved.