A journey of a thousand miles begins with a single step – Woodworking and Photos

むささび工房ブログ

大谷翔平選手とデコピンの作品
– Shohei & Decoy –

 
shohei & Decoy
この記事を書いている人 - WRITER -

 昨年は毎日午前中にMBLの生中継があり、大谷選手の活躍を観るのが楽しみでした。彼がホームランを打てばその一日はなんとなくウキウキと楽しく過ごせました(事実、神経痛の痛みも和らぎました)。いろいろと暗い事件も多い年でしたが、彼の活躍によって勇気づけられた人も多かったのではないでしょうか。その中でも50-50の達成やMVPの受賞はこれでもかと言わんばかりのダメ押しでしたね。野球に全く興味のなかった妻でさえ、50-50間近には毎日興奮していました。“大谷君どうだったの”というのが毎日の妻との会話になりました。私もいつの間にか日本のプロ野球をよそにMBLばかり観るようになってしまいました。
 そんななかでも真美子さんとの結婚と愛犬デコピン(Decoy)の出現は彼の好感度を一気に揚げましたね。あの衝撃的な始球式には驚かされました。その時の写真には大谷選手を信頼しきっているデコピンの姿がよく映し出されています。

今回の作品は次の1枚から作りました。

shohei & Decoy

shohei & Decoy

原画の作成

 写真から糸鋸用の原画を作る方法はいろいろあるようです。最初は難しそうだなと思っていたので、写真のコントラストを上げて陰影部分を自動的に抽出するアプリを試しました。確かにそれらしき絵が簡単に出てきますが、糸鋸で作成可能な原画にするにはかなり手を入れなければならないことがわかりました。「糸鋸で作成可能」という意味は、「陰影を切り抜いたときに、本来は残しておく部分の周囲が全部切り取られてしまったことで保持されなくなる箇所、が存在しない」ということです。
また、視覚的にリアルかどうかというと、やはりかなり手を入れなければならなくなりました。YouTubeでも多くの作者が、写真を自分でなぞりながら手書きで原画を作っている理由がよくわかりました。今はやりのAIを使えばよいのでしょうが、それもなんだか味気ないですよね。
結局、今回採用したのは、ipadのアプリProcreate®(プロクリエイト)を使って、Appleペンシルを使って描くという方法になりました。Procreate®は元の写真の上に透明な用紙を置いてなぞるような操作が簡単にでき、そのレイヤも複数可能で、かつ、キーボドからのフォントも使えるという優れものです。

操作性もよく、YouTubeにチュートリアル動画が沢山あるのですぐに使えるようになります。
とは言え絵心のない私ですから簡単には描けませんでした。特に大谷選手の口元の表現は難しかったです。白い歯を出した笑顔なんですが、なかなかその雰囲気を表せませんでした。何回も妻からのダメ出しを受けました。

 4㎜厚のシナ合板を使いました。できれば硬質な無垢材を使った方が切削面が整ってよいのですが、薄い無垢材の板は反りやすいのでやめました。私のようにのんびりと何日もかけて作業すると、きっと反り繰り返ってしまいます。

糸鋸盤とブレード

 使った糸鋸盤は一昨年(2023年)暮れに購入した ペガス 糸鋸盤 SC-16CE です。今回の作品は陰影で描いた原画を切り抜くので、ブレードの差し替え(ブレードを替えるのではなく、陰影ごとにブレードを別の陰影に差し込むこと)がめちゃくちゃ頻繁に発生します。このペガス 糸鋸盤の特徴の一つは、ブレードの取り外し差し替えが容易なことで、大変助かります。昔使っていた糸鋸盤と比べれば作業性が10倍(決して大げさではなく)楽ちんです。

 ブレードは初めてPegas Spiral Scroll Saw Bladesというのを使いました。これもめちゃくちゃ優れもので、ノーベル賞級(これは超大げさ)です。文字通りブレードがスパイラル上にねじられているので、歯が360度に向いて付いていることになります。

したがって、ワークをどの方向へ移動しても同じように切り込んでいけます。通常の歯では、ワークは正面に押していくだけなので、ワークを回転させて切り込みたい線を正面に向けて押さなければなりません。ワークが糸鋸盤の懐長よりも大きくなると物理的に回せなくなります。今回はA4判の大きさですから、それほどでもないのですが、ワークをあまり回転せずに作業を進められるのは楽ちんです。

このあたりの状況は末尾の動画を見ていただければ一目瞭然です。

塗装

 水性ウレタンを使いました。染料ですこし着色してもよかったのですが、全体に暗くなりそうなので、つや消し透明の水性ウレタンにしました。シナ合板に塗ると暖かい黄色の雰囲気になり若干の木目も出てくるのでいい感じです。

額縁風の枠

 作品の裏打ちの板には、黒く塗られた10㎜厚のMDFを使いました。貼り付けただけでは味気ないので、枠をつけることにしました。額縁を作るのは面倒だったので、枠だけ作って貼り付けることにしました。2×4パイン材を使い水性染料で色付けして水性ウレタンで仕上げました。

額縁の工作で素人に難しいのは,4つ角の処理です。一般的なのは45度にカットして両辺から合わせて組み立てるのですが、この角度がかなり正確にでいないとわずかのすきまでも目立ってしまいます。今まで何度も難儀しているので、今回は逃げを打ちました。角を合わせることは最初からあきらめて、直角な切り込みを作って、そこに木製の小さな四角柱状の部材をはめました。ちょっとしたアクセントになってこれもいい感じです(自画自賛?) 

shohei & Decoy

shohei & Decoy

いつものように制作過程の詳細は動画にしてアップしました。昨年の暮れから新しい動画作成アプリを使っています。WonderShareのFirmoreというソフトです。かなり高度なことまで可能で、プロの方も使っているようです。よくあることですが、私のような素人が、何でもできるソフトを使うと結局なんにもできないで終わってしまうことが多いので、どうなることかと思いつつ使っています。さて、今回はどうなったでしょうか(イントロに結構力を注ぎました)・・・。

shohei & Decoy

shohei & Decoy

この記事を書いている人 - WRITER -

Copyright© むささび工房ブログ , 2025 All Rights Reserved.