A journey of a thousand miles begins with a single step – Woodworking and Photos

むささび工房ブログ

映画 Somewhere in time
    いつか何処かで

2020/01/02
 
SOMEWHERE_IN_TIME
この記事を書いている人 - WRITER -

 以前の投稿で紹介した我が家のネットワークオーディオは縷々進歩しています。手持ちのCDすべてのリッピングを終えて、所有する音楽ソースの全てにスマホひとつで自由にアクセスして快適なオーディオライフを楽しんでいます。当初、メインのオーディオシステムだけが対象だったのを、ダイニングや庭のむささび工房など、今では、我が家の4か所にスピーカを置いてネットワークオーディオを堪能しています。これら状況はまた追って投稿で紹介したいと思います。今回の投稿はネットワークオーディオのことではなく、映画のことです。

最近、YouTubeの品質が格段に向上していているようです。音質もよくなっていて、少なくとも年齢相応に駄耳になったきた私にはそう聞こえます。そして世界中で様々な音楽ソースがYouTube上にアップロードされているので、oldiesからjazz, classic, 歌謡曲と懐しい曲を簡単に見つけることができます。その中で特に気に入って、もっと良い音で聴きたいと思ったものはCDを探して購入するというようなパターンです。もちろん全てサーバに入れています。
再会
 十日ほど前のある夜中、いつものように夜更かしをして、YouTube動画から気に入った音楽を聴きあさっていました。ある動画をダウンロードするかどうかまよいながらその曲を聴いていた時です。ふと、かなり以前にレンタルビデオを借りて観た映画、それもずっと気になっていてもう一度観たいと思っていたのにそのタイトルが思い出せずにいた映画が、その音楽と共に記憶によみがえってきました。ハッとして、動画のタイトルを見ると、”Somewhere in Time Soundtrack” と表示されていました。タイトル画像を見ると、クローズアップしたおおきな瞳の美しい女性とハンサムな紳士が映っています。

これだ、これだ と心の中でつぶやきました。その動画はタイトル画像を映し続けて曲だけを聴かせていたので、さっそく、“Somewhere in Time”をキーワードに他の動画を探さがしてみると、映画を紹介した動画も見つかりました。なんだか長年のモヤモヤガ消えたような気分になりました。すぐに、amazonでその映画のDVDも見つかり、購入しました。

映画の概要
 映画の内容は、ちょっと荒唐無稽で、しいて言えばSFラブストーリーということになります。ある青年が、古くからあるホテル(グランド・ホテル、撮影に使われた実存のホテル)の資料室に飾られた昔のポートレートの中の女優に心を奪われ、60数年の時を超えて彼女に会いに行く、という情熱的な恋愛映画でもあります。スーパーマンを演じたクリストファーリーブ(Christopher D’Olier Reeve)とボンドガールを演じたジェーン・シーモア(Jane Seymour)の二人が繰り広げる美しくもせつない物語です。なんと言っても、劇中に流れるパガニーニのラプソディー(ラフマニノフ作曲)とJohn Barry作曲の主題曲Somewhere in Timeを中心にした楽曲がなんとも美しく、このSFチックな物語を甘美な純愛ものにしています。リチャード(クリストファーリーブ)が時を超えて目的のホテルに現れ、湖畔を歩くエリーズ(ジェーン・シーモア)に初めて話しかけようとしたとき、奏でている音楽は最高に高揚します。

そしてエリーズの口元からささやくような声で出た言葉、” Is it you? ”  はリチャードの思いを確信のものにします。こんな美女から、Is it you? なんて予感めいたことを問われてみたいですね。私の記憶の足がかりになった名曲です。

ちょっと恥ずかしい思い出
 私は平成に入ってすぐに父,そして4年後に母を亡くしました。当時四十代半ばですが幾つになっても親と別れることは辛いものです。この映画を観たのはそんな頃だったと思います。映画のように情熱的な思いではありませんが、時を超えることができるなら、幼いころに父母兄姉と過ごした団らんのひと時に、あるいは、苦い思いのある父との会話の場に、しばらくでも身をおいてみたいと思いました。
そこで真面目に挑戦したことがあります。映画の中のリチャードように用意周到に構えたわけではありませんが、夜、床に入ってから、子供の頃の家族と過ごした場面を思い浮かべ、眠りに着くまで、できるだけ深く没頭して記憶をたどり続けるようにしました。もちろんタイムスリップに成功したわけではありませんが、夢の中で少年時代にもどり、父母に会うことはできました。四十を過ぎたよいおじさんが、隣で妻がいびきをかいて寝ているというのに、こんな子供のようなことをしているのです。滑稽ではありますが、当時はかなり真剣でした。こんなことを幾晩か続けているうちに、こうすれば夢で会えるのだというコツのようなものを掴むと、なにか安心感が湧いてきたのを覚えています。
タイトルは忘れていましたが、両親を亡したあとのこんな経験のきっかけになった映画だったので、心のどこかにずっと引っかかっていました。少し調べてみたら、かなり有名で、世界中にファンの多い作品だということを知りました。きっとそんなファンの中には私と同じようなことを考えて実行した人もいたのではないでしょうか。
書きたいことは沢山あったのですがあまり上手く書けませんでした。今日は、劇中で使われたパガニーニのラプソディーと主題曲Somewhere in Timeを聴きながらゆっくりとおいしい珈琲を飲みたいと思います。きっといろいろなことを思い出すことでしょう。

SOMEWHERE_IN_TIME

SOMEWHERE_IN_TIME

どんな夢を見ているのかな

 

 

この記事を書いている人 - WRITER -

Copyright© むささび工房ブログ , 2019 All Rights Reserved.