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むささび工房ブログ

バンドソーボックス“BONSAI 盆栽Ⅱ 懸崖に挑戦”
その2 制作編
   やっと完成しました!

2021/02/16
 
Bonsai-2 KENGAI
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 完成しました。なにしろ超スローペース、超マイペースなので2ヶ月ほど楽しみました。盆栽の趣味はないのですが、これを作っていると盆栽もなかなか面白そうだなぁと思うようになり、近くの園芸店で小さな寒梅の鉢植えを入手して花を愛でていました。でも、枝の手入れをして形を整えるには根気がいるし毎日の水やりなど、とても私にはできそうにありません。その点、木工なら気分が乗った時だけちょこちょことやっていればいいので私の性に合っているようです。

 さて、そういうわけで時間はかかりましたが今回の作品も一応完成しました。構想編で投稿したように、今回は「懸崖(けんがい)」と呼ばれる樹形に挑戦しました。懸崖は険しい崖の淵に逞しく生育する老松の姿をあらわしていて、幹と枝が長く崖下へ垂れているような樹形をしています。バンドソーボックスでは表現できないかなぁと思っていたのですが丁度良いモチーフがあったので挑戦してみました。

今回使った材はユーカリです。初めて使いました。おもての面です。木肌がきれいで適当な硬さがあり(あまり固いと引き割りが難しい)なかなかいい感じです。裏側の板は米栂(ベイツガ)を使いました。ちょっともったいないのでしたが仕上がりがきれいです。購入は、香川県高松市にあるマルトクという材木店からネットで購入しました。無垢材を扱っていて種類が豊富ですし、カット注文も受けてくれます。

中間に挟んだ材はいつものようにパイン材とシナ共芯の合板です。

通常のバンドソーボックスおよび前回の作品との製作上の相違点を中心に紹介し、最後にYouTubeに投稿したいつもの動画を載せておきます。私の備忘録のようなものです。記憶力が歳と共に衰えているので、自分で自分の投稿を読み直して作業内容を思い出すこともよくあるんです。

引き出し部分の切り抜き

いつもは裏板の材も張った状態で全体の輪郭を切り取ってから、裏板を引き割で切り取り、引出し部分を切り抜くのですが、今回は引き出しの数も多く、作品も比較的に大きいので、裏板はあらかじめ用意しますが、それを張り付ける前に、引き出し部分の切り抜きから始めました。引き出しを切り抜いた後で、裏板を張り付けて、全体の輪郭を切り取ります。

表面の引き割りと各部の切り取り

表から見た時に立体感を出すために、今回の作品ではおもて面を3段階に(3枚)引き割(リソー)して、それぞれの部材の奥行を設定しました。木の幹は3枚目(一番奥)、木の根元の土(コケの部分)は2枚目、鉢のおもて面は1枚目、そして葉の茂った塊は、1枚目から3枚目にそれぞれ分散して割り付けました。そのため、手順が複雑になり、またリソー用と曲線切り用の面倒なブレード交換も何度も発生するので、手戻りが無いように手順書を入念に作り、それを見ながら作業を進めました。いつもは鼻歌交じりでその場で考えながら進めるのですが、手順書のおかげで今回は作り始めてから迷うことはあまりありませんでした。使った手順書はこの投稿の最後にリンクを張っておきます。

構造の補強

デザイン上、全体の下半分中央に空間が大きく空いています。また、バンドソーで引き出し部分を切り抜くために、各部の広範囲にブレードの切込みルートが必要になります。その結果長く伸びた幹の周りの連結個所が少なくなり、構造的に弱くなってしまいます。完成時には形を保っていても木材ですから、弱い部分があると年月とともに乾燥等でひずみが生じてしまいます。とくに、今回の懸崖のデザインでは、鉢の底と垂れ下がった枝の先の方で全体を支えるので、この2点の位置関係の維持が重要です。そこで、次の2つの対策を考えて実行しました。

・制作中のひずみを避けるために下半分中央の空間部分の切り取りを最後まで行わないこと。

Bonsai-2 KENGAI

Bonsai-2 KENGAI

・枝の周りの連結性を高めるために、ブレードの切込みルートの数か所(3か所)に裏面からボンドを注入して相互に接着する。

仕上げの塗装方法

大したことではないのですが、最後の上塗りのウレタン仕上げを刷毛塗にしました。これまではエアーブラシによるスプレーでしたが、水性ウレタンの霧のなじみが悪くなかなか表面の艶が出しにくいことがわかりました。艶消しの塗装であればそのままでよいのですが、悩みどころでした。そこで刷毛塗にしたところ表面を出しやすくなりました。もちろん、刷毛の届きにくい隙間にはスプレーを使いました。艶を表現するために下塗りしていたオイルとの相性が悪かったのでしょう。次回にはウレタン塗装だけで仕上げてみて、艶が表現できるかどうか試してみたいと思います。

と言うようなところが今回の特徴的なところです。

作品と製作過程の詳細はいつものようにYouTube動画でアップしましたので下記からご覧ください。

実は左右対称で枝が左に垂れ下がった形のものを一緒に作りました。前回の作品を中央に置いて写真を撮りました。ちょっとした絵になりますね。自画自賛!

Bonsai-2 KENGAI

Bonsai-2 KENGAI

左バージョンは、おもて面の板にブラックチェリーを使っています。

The template-Bandsaw box “Bonsai Part Ⅱ Kengai”

手順書はここからダウンロードできます。

 

Bonsai-2 KENGAI

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