キジバトのひなが育って巣立ちました、そして・・・
― ハトポッポロス から お帰りハトポッポ へ ―
ひなの成長
前回のブログ投稿の後、2羽のひなは順調に育ち、数日で羽毛に色がついてキジバトらしい姿になってきました。ひなはそろって首を巣から出していたのですが、そのうち1羽が巣から出て傍の枝に止まるようになってきました。
ひなと言うよりは子バトと言った方がよい姿になって、2羽とも巣の縁や傍らの枝に止まって親バトを待つようになりました。
親バトが帰ってくる頻度が徐々に減ってきたように思います。時々羽を広げて口ばしで毛づくろいもします。見ている方は今にも巣立ってしまうのではないかと気が気ではありません。妻も私も交互にのぞきに行き状況を報告しあいます。
巣から出るようになって一週間ほどで羽はすっかりキジバト模様になりました。でも顔つきは幼く尾羽も短い、親バトを待つ子バトです。
巣立ち、そして、ハトポッポロス
親バトが巣に戻る間隔が空いてきたのは、子バトに飛びし出してくるのを促しているのでしょうか。親バトが巣に戻ってきたときは子バトは喜びますが、親バトは「なにしてるの、早く飛び出しなさいよー」と言っているようにも見えます。でも、一回も練習しないで羽を広げて飛び出して落ちたらどうしようかと心配する日が続きました。
そして、数日後のある朝、妻に起こされました。「子バトが居なくなっちゃたよ、飛んで行ったみたい」私の返事は、「ちゃんと巣の下や庭の地面を見た? 落ちたりしてないよね」 そのあたりに落ちていたらすぐ巣に戻してあげないとカラスにやられてしまいます。
どうやら、無事飛んで行ったようです。初飛行でそのまま行ってしまうなんてたいしたものです。巣から出るようになってから1週間ほどでの巣立ちです。天敵の多い自然界では人間のようにのんびりとはしていられないのだと、あらためて感心しました。
巣立ったあとは、もぬけの殻の巣が残っただけです。毎日成長を楽しみに眺めていたので、妻も私もペットロスならぬハトポッポロス状態になりました。夕食時の会話も、どうしているかな、元気でいるといいね といった調子です。巣は空っぽになりました。
窓際の猫も寂しそうです。
お帰りハトポッポ
そんなハトポッポロスに陥っていたのですが、なんと、翌々日のお昼ごろ、気が抜けてボケっとしている私に、また妻が「キジバトがが来てる、あれ子バトじゃないの、早く早く来て」と少しハイテンションの呼びかけです。あわてて庭に見に行くと、確かに見慣れたキジバトの親よりは2割ほど小ぶりで、尾羽がまだ短いキジバトが庭の椅子の背もたれに止まっています。地面のエサ台の上にも1羽います。近くに一回り大きい親バトもエサをつついて歩いています、しばらくすると、野菜を植えたプランターのかげからもう1羽の子バトも現れ、エサのお皿に乗りました。親バトと一緒に帰って来たのです。思わず、ヨッシャー、お帰りハトポッポとつぶやきました。
子バトは、尾羽が少し短く、顔つきがまだ痩せていますが、羽の色付きや趣はもう親バトそっくりで見分けがつかなくなりそうです。親バトはエサの場所や摂り方を教えるように子バトの周りをうろうろしています。ある時は親バトが呼びに来て、子バトがついていく場面もあります。
まだまだ甘えたい盛り
エサ台に飛び乗った子バトは、親バトが来るとエサをもらえると思ったのか、親バトの顔に口ばしを近づけていきます。親バトはまるで「なにしてるの、しっかりしなさい、自分で摂るのヨっ」と顔をそむけますが、まだまだ甘えたい盛りの子バトのしぐさに癒されます。こうして成長していくんだなぁ、人も鳥も同じですね。
そうこうしていると、もう1羽の親バトが飛んできて親バト2羽が子バトの前で羽ばたき始めました。ホバリングです「甘えてるんじゃないよ、こうして飛びだしなさい」 と教えているようです。取り残さた子バトは、しばらく悩んでいましたが、意を決して飛び立ちました。
数週間前に巣の中で動き始めたひなを見つけた時には、とにかく無事に育って巣立っていってくれるようにと願っていました。こうして、立派なキジバトになって親子で庭に戻ってきてくれるとは思ってもいなかったので嬉しいかぎりです。抱卵を初めてから1か月ほどの間、ハラハラ、ドキドキと気をもみながらも楽しませてくれました。これからも時々会えると思うと嬉しいですね。