むささび工房の冬支度 エアコン設置DIY
― (後編)設置工事 そして試運転 ―
いよいよエアコン設置DIYの開始でーす。三菱霧ヶ峰MSZ-GE2224-Wが届きました。親切な配送業者さんで、小屋先まで運んでくれました。
室外機は雨にぬれても大丈夫ですが、室内機はそうもいかないので濡れないようにゴミ袋をのせて養生です。玄関に置いておくと妻にすぐにバレますが、ここだと結構見つかりません。
室内機取り付け下準備
室内機の梱包を解いて、まずは背板を取り出します。設置する壁面には既に配管用の穴があけてあるので、穴の位置に合わせて背板の取り付け位置を決めます。見てくれは気にしないので、穴の下が少しぐらい見えても良いと考えて、背板を1センチほど上げました。これでドレンホースの勾配が確実に得られるので安心です。室内機を掛けるための背板をビス5本でしっかりと取り付けます。
ついでに外に突き出ている樹脂製の配管用貫通スリーブの余分を切り落とし、縁取り用のウォールキャップを付けました。虫が入ってくるのが嫌なので後でしっかりとコーキング剤で隙間を埋めます。
室内機の取り付け
室内機からは室外機に接続する配管2本と制御用配線(正確には室外機への電源線と制御線)、それとドレンホースが出ています。配管とドレンホースは30センチほどの長さなので、室外機へ接続するには延長しなければなりません。室外機と結ぶアース線は、銅製の配管により電気的に結合されているので必要ありません。これに、室内機の所定の端子につないぐ制御用配線(VVFケーブル 2.0mm-3芯)を加えて、コーテープと呼ばれる専用の防水テープでぐるぐる巻いて束ねます。
この状態で、束ねた配管類を壁の穴から外に出しながら室内機を持ち抱えて壁の背板に引っかけるようにはめ込みます。この作業が今回最初の難関だったのですが、写真を撮り忘れました。最近筋力が落ちているのと、神経痛の痛みに耐えながら足場のチョー悪い狭い工房内で頑張ったのに写真を撮り忘れたのが悔やまれます。
外に突き出た配管類です。
配管の接続
これもクライマックスの一つです。実はこれが一番心配で、YouTubeを観まくって勉強しました。ここからは専用の工具が必要になります。エアコン工具一式のレンタルサービスがあるので注文しました。Aitec(工具のアイテック)という会社です。3泊4日3500円(送料別)です。注文すると日程調整をしてくれます。私の場合、金曜日に発注して月曜日に届きました。
内容は、上記写真の通り、至れり尽くせりで、必要なものが全部入っています。ここで、最初に必要になるのはトルクレンチです。配管(銅製)の接続は、フレアーと呼ばれるラッパ状に口の開いた配管と、先のすぼんだネジの切ってある部品が溶接された配管を突合(ドッキング)して、フレアー側からナットで押さえるように締め付けます。この時フレアーが少しつぶれて圧着されるので、隙間が無くなり、ガスが漏れないようになります。この圧着が弱いと隙間ができ、強すぎるとフレアー部分が破れてしまうので、適切な圧着を行うために既定のトルクレンチを必要とします。エアコン工事の不良はこの接続の不備によるガス漏れ発生が多いようです。
接続する配管は2本です。室外機からガスを送る配管と、室内機からガスを戻す配管です。配管の径は、エアコンの容量で異なり、今回のエアコンは一番容量の小さい機種なので、2分管と3分管です。
下の写真は、右から2分管と3分管用のトルクレンチ、そして普通のモンキーレンチとナイログです。
フレアーの圧着される部分に、粘着性の特殊な液体を塗っておくことで、ガス漏れ防止に役立つようです。ナイログという商品を使いました。締める時はモンキーレンチとトルクレンチの2丁掛けで握力を使います。トルクレンチから“カチッ”と言う音がしたら規定トルクがかかったことになります。念のため2~3回締めます。かなり力が必要でした。2分管と3分管とも同じ要領です。
次は、室外機側の配管接続ですがその前に一仕事あります、室内機からの配管に接続した延長用の配管を適当に曲げながら室外機の配管口へ繋げるようにします。実は、今回この延長配管には、両端にすでにフレアー加工のしてあるセット配管というのを使いました。フレアーを自分で加工するための工具も入っているのですが、リスクを減らすために(というか自信が無かったので)フレアー加工済みを使いました。しかし管の長さの種類が決まっていて、いちばん短い2.5mのものを使いましたが、それでも、かなり余ってしまいます。途中で一回りして調整しました。室外機の配管口への接続も、配管同士の接続と同じ要領ですが、一方が機械に固定されているので2丁掛けの必要はなく所定のトルクレンチだけで締めました。
真空引き
さて次のクライマックスは、ガスを通す前に、接続した配管や室内機の内部の空気を抜いておく作業です。これはガスに空気や湿気が混ざるのを防ぐのと、この作業で簡易的なガス漏れチェックができます。レンタル工具に含まれている真空ポンプを使います。
室外機の配管口にはサービスポートがあります(真空引きやガスチャージ用)。チャージングホースについているチャージングバルブをここに取り付けます。チャージングホースの反対側を、圧力計に取り付け、それを真空ポンプに繋ぎます。つまり、室外機のサービスポートと真空ポンプの間に圧力計を挿入した形になります。これで配管や室内機の中の空気の圧力が表示されます。
チャージングバルブをスルーにして、圧力計の真空ポンプ側もスルーにして、真空ポンプをONにして、真空引きを始めます。ポンポンポンという音と共に圧力計の数値が下がり始め、数十秒で所定の真空状態のー0.1Mps(メガパスカル)になっていきます。この状態でさらに15分ほど引き続けることで、水分も取り除くことができるそうです。
所定の圧力なったところで、圧力計と真空ポンプの間の栓を閉めて、真空ポンプを止めます。圧力数値がマイナスですから、配管内へ外気から空気が入る混む方向で圧力がかかっています。この状態で5分ほど観測し、圧力計の表示が変わらなければ、真空引き成功で、配管の漏れ箇所もないことになります。
真空引きが完了したあとは、まず最初にチャージングバルブ閉め、次に室外機の配管口の2つのバルブを六角レンチを用いて開放にします。これで配管にもガスが充満します。チャージングバルブを外して、2つの配管口のバルブと、サービスポートに袋ナットを締め、ここまで完了です
電気系統の配線
仕上げは電線類の接続です。先ず室内機側のVVFケーブル 2.0mm-3芯の接続です。フロントカバーを外すと配線ボックスが見つかるので、そのカバーをはずして、3心を挿し込みます。AC電源用のコンセントを室内機のそばに取り付けました。あとで電源プラグを挿します。
そして室外機側の接続です。配管口の上の方に3心差込口が見えます。ここに、室内機からのVVFコードを挿し込みます。アースを室外機側で取ることにしたので、機械の近くの地面に1.5mのアース棒を打ち込み、そこからのコードを、外機右下にあるアース端子に接続しました。室内機へは銅製の配管で電気的に繋がっています。
壁の外側の穴と配管束の隙間に、パテを埋め込んで密閉します。始めてパテを使いましたが、意外にべとづかずに扱えました。
配管が長いので途中にループを設けましたがぐらぐらして不安定なので、紐で結び、ループの重さをを上から吊って支えるようにしました。壁に器具で取り付けなかったのは、この小屋が大変古くて、壁面の板に釘やビスを打ちこみたくなかったからです。室外機の台は市販のものを使いビス止めしました。
試運転
いよいよ緊張の瞬間です。電源プラグをコンセントに挿して、リモコンで暖房運転にセットしました。トットッところが温風が出てきません。ヤバイと思って焦りましたが、しばらく悩んでいたら急に温風が出始めてホッとしました。十分に温度が上がるまで送風が始まらないようにプログラムされているのでね。冬にいきなり冷たい風が吹いてきたら困りますよね。なるほどよくできていると感心しましたが、自分の作業に自信が無かったのでチョー焦りまくりました。その後、冷房運転も試しましたが問題なく冷えた風が出てきました。正式には温度計で測定するのだそうですが、それは省略です。
以上、初めてのエアコン設置DIY作業は順調に進み試運転も問題なく成功しました。配管のガス漏れは、相当長い間使ってみないと安心できません。これからしばらくはビクビクしながらしスイッチを入れることになりそうです。
数週間かけてYouTubeで勉強したので迷うことなく作業を進めることができました。参考にしたYouTubeチャンネルを列挙しておきます。中には大変面白いのもあり楽しみながら勉強できました。エアコンYouTuberのみなさんありがとうございました。