A journey of a thousand miles begins with a single step – Woodworking and Photos

むささび工房ブログ

アマチュア無線家必見の映画
アメリカ人って本当に野球を愛してるね
―オーロラの彼方へ(FREQUENCY)ー

 
オーロラの彼方へ
この記事を書いている人 - WRITER -

 この映画を観てからもう2年が経ちます。ブログに感想を書こうと思っていたのですがすっかり忘れていました。年寄りはダメですね。 それが、今年のMLB ワールドシリーズ第7戦を観ていたときに、この映画のことがふっと頭をよぎりました。

この映画は、いわゆるタイムスリップものです。タイムスリップものは沢山観てきました。例えば、以前にブログにも書いた“いつか何処かで(Somewhere in time)”もそうです。でも、アマチュア無線を題材にしたのはこの映画しか知りません。

本題に入ります。

これは2000年の制作で、舞台はアメリカ ニューヨークで、1999年と1969年の30年間をまたいだお話です。古い映画とはいえ、ネタ晴らしはなるべく避けますが、ちょっとだけ。

ある日、刑事ジョンは、自宅の物置に30年前に殉職した消防士の父が残した無線機を見つけます。アマチュア無線をやっている人ならすぐにわかるコリンズの無線機です。(もちろん管球式で、ストーリーとは関係ありませんが、私も若い時あこがれていた無線機です。)

その日ニューヨークの夜空にはめったに出ない30年ぶりというオーロラが現れていました。

無線機の電源を入れるとノイズの中から男性の声でCQが聞こえてきます。ジョンはライセンスを持っていませんが子供のころ父親が操作するのを毎日見ていたので、おもわずそのCQに応えました。CQの主のコールサインはW2QYV。交信が進んで野球の話になると、何となく会話が噛合いません。ちょっと首をかしげているうちにコンディションが落ちて交信が終わってしまいました。交信の中で、アメリカの子供が学ぶべきことの3つは、“憲法とロック、そして野球”だと熱弁していたので、相手の男性が無類の野球好きなのはわかりました。

翌日の夜もオーロラは現れていました。無線機からは昨日の男性が呼びかけているのが聞こえてきました。

ここからストーリーは展開し始めます。相手の男性が実は30年前に亡くなった・・。

ストーリーが進み、消防士の父がある事件の犯人にされてしまうが、ジョンから真犯人が別にいることを知らされ、それを刑事に訴えるのですが信用してもらえない。俺を信じてくれと懇願しているときに、近くこのテレビから聞こえていたのが、ニューヨーク・メッツとボルチモア・オリオールズのワールドシリーズ第3戦の模様です。彼は刑事を信用させるため、ワールドシリーズ第3戦の展開を予見してみせます。

このあたりのストーリー展開がアメリカ人の野球愛を存分に表していますね。30年前のワールドシリーズの展開も人々の記憶に残っているのですから・・・

で、このブログの冒頭、私が2025年秋のワールドシリーズを観ているときに頭によぎったことです。

私の妄想ストーリーは以下の通りです。

時は2025年11月1日、場所は、東京お台場 湾岸署の取調室です。

刑事になりたての青島俊作は、ある事件の殺人犯の嫌疑をかけられている親友の室井慎次と対峙していた。

青島― “そんなふざけたことを言っている場合じゃないぞ。おまえは今殺人犯にされているんだぞこのままじゃオレだって助けるわけにはいかないぞ。”

室井― “信じてくれよ。本当に息子と話をしたんだ。それで犯人がいる場所を知ったんだ。

青島― “ふざけるな。おまえの息子はまだ6才だろぅ。”

室井― “ちがう、30年後の息子だ。刑事なんだ。”

青島― “おまえ、狂っちまったのか。”

室井― “どうしたら信じてくれるんだ”

その時、廊下の向こうの休憩室からテレビの大歓声が漏れてくる。

MLB ワールドシリーズ ロサンゼルス・ドジャースVSトロント・ブルージェイズの第7戦。9回の表、9番ロハスが同点のホームランを放ったのだ。

室井“いいか、よく聞いてくれ。このあとドジャースは山本由伸を出してくるんだ。そして9回裏にはパヘスがキケ・ヘルナンデスとぶつかりながらだけどレフトフェンス際の一撃を取って絶体絶命のピンチを救うんだ。落としていたらそれでおしまいだ。いいかそこからだ、11回にウィル・スミスが渾身の一発で勝ち越すぞ。その裏、1塁に走者がいるんだが、山本由伸の一投がブルージェイズのカークのバットをへし折り、2塁ゴロをベッツが取ってそのままベースを踏んでジャンピングスローだ。1塁フリーマンが取ってダブルプレー。ドジャースが優勝するんだ。” 室井は一気にしゃべった。

青島は呆れた顔で聞いていた。

青島― “何を言ってんだ! 山本はこの間投げたばかりだぞ“

    “少し休もう。おれも疲れた”

そう言って青島は取調室を出た。

30分後、青島は湾岸署の隣の喫茶店にいた。珈琲を飲みながら疲れた頭を整理していた。店のTVからはワールドシリーズの中継が流れていた。

“打ちました、ウィル・スミス、渾身の一発でドジャースの勝ち越しです” アナウンサーの興奮した声が聞こえてきた。

青島は思わずテレビの方に振り向いた。

そのあとの展開に固まっていた青島はドジャース優勝の歓喜の声と共に我に戻った。思わずつぶやいた。

青島- “あいつは犯人じゃない。よし!”

この映画を観た、もう一つの感想

30年前に亡くなった父親ともう一度話したい

 

オーロラの彼方へ

オーロラの彼方へ

この記事を書いている人 - WRITER -

Copyright© むささび工房ブログ , 2025 All Rights Reserved.