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むささび工房ブログ

バウムクーヘンの思い出
-六本木クローバ-
-学芸大学マッターホン-

 
Baumkuchen
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たわいのない思い出です。

 小学校の低学年の頃だったと思います。当時、港区六本木という町に家があり、六本木の交差点から自転車で1時間ほどは私の行動範囲でした。当時はまだ高速道路も地下鉄日比谷線もありませんでした。当然、六本木族なんて言葉もないのどかな時代です。

六本木の交差点から西麻布(当時の麻布霞町)方面へ2百メートルほど行ったところに、六本木クローバ―という古くからの洋菓子店がありました。ケーキ屋さんでケーキを買うというのがまだ若干贅沢な時代です。

ある日、家で何かあったのでしょう、お客様か何かのお祝いか、あったのでしょう。クローバーのケーキを買ってきなさいということで、母からお使いを頼まれました。一人でケーキ屋へ行くのは初めてでした。当時、ショートケーキの値段が一つ70円程度だったと記憶していますが、子供の頃のちょっとしたお小遣い相当なので、なにか楽しい気持ちでお使いに行ったのを覚えています。

お店の中に入りショーケースに並ぶケーキを品定めし、おいしそうなケーキを探しました。私の目に留まったのがバウムクーヘンです。木の株のようなそのホールの形と年輪の模様は子供心にすごく面白く、そして美味しそうに思えたのでしょう。頼まれたのはカットケーキだったので、そのホールの横に並んでいたバウムクーヘンのカットをいくつか買って帰りました。

ところが、家に着いて母にそのケーキを見せると、ちょっと不評でした。母はもっと華やかな苺でも載ったショートケーキ風なのを期待していたようです。たしかに、バウムクーヘンはカットにしてしまうと単なる一片のお菓子、地味なお菓子という感じです。でも私には美味しそうに見えたし、実際美味しかったし、なんで不評なのかわかりませんでした。

とりとめのない思い出ですが、ちょっと忘れられない記憶です。

後にバウムクーヘンの由緒ある歴史を知り、ますます好きになりました。せっかく選んで買ってきたのに、という意地っ張りなのかも知れませんね。そんな思い出のある六本木クローバーのお店には、社会人になってからもよく珈琲を飲みに入っていましたが、もう何年も前に閉店してしまいました。クローバーという会社自体はその後、ヨックモック傘下に入ったという噂を聞いていますが、古くからのお店だったのでさみしいです。

バウムクーヘンを売りにしているケーキ屋さんは沢山ありますが、私の好きなのは凝ったものではなくオーソドックスで地味なバウムクーヘンです。

東横線学芸大学駅から線路(高架)沿いに都立大学駅方面へ数十メートル行ったところにMATTERHORN(マッターホーンと呼んでいます)というお店があります。包み紙が印象的です。

このお店のバウムクーヘンがとっても美味しいです。しっとりとしてほのかな甘さがいいですね。カットケーキは結構薄く切ってあるのですが、パクパク食べてしまうのがもったいなくて、いつも一枚を時間をかけて楽しんでいます。特にお店がバウムクーヘンを看板にしているわけではないようですが、人気があり、ホールもカットケーキもショーケースに並ぶとすぐに売り切れてしまいます。

Baumkuchen

Baumkuchen

見つけた時に買ってしまわないとなかなか味わえない一品になっています。他にもたくさんのケーキが並んでいます。全体的に甘さ控えめだからでしょうか、お店の中は男女問わずいつもにぎわっています。

今日はラッキーでした。夕刻お店を覗いたら、カットケーキがまだ並んでいました。

Baumkuchen

Baumkuchen

バームクーヘンのカットケーキと一緒に、私の大好物も買ってしまいました。私にとってバウムクーヘンと双璧をなす好物はサバランです。これも甘さ控え目ですがすごくジューシーで大人の味だと思います。ちょっとカロリーがありそうなのでめったに口に入りません(妻の許可が出ません)。

こうして並ぶと確かにバウムクーヘンは質素ですね。でも食べるとサバランに負けていません。

Russian blue

Russian blue

 

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