Bandsaw box
-森のキノコ達(Mushrooms in the forest)-
ちょっと気取ってみました!
ちょっと気取ってみました!
バンドソーボックスはオーソドックスには木の塊からバンドソーで引き出しと引き出しの中をくりぬき、前板と後ろ板を付けて完成ということですが、その派生も含めて方向性の異なる作り方はいくつかあると思います。
① あくまでもオーソドックスに、simple is the bestを貫く作品を目指す。
② 機構的にはオーソドックスでもデザイン的なセンスを駆使して眼を引く作品を目指す。
③ 機構的な新規性を求めてこれまでに見ない作品を目指す
と簡単には分類できないかも知れませんが、制作者はこんな姿勢を意識しながら作っているのではないでしょうか。
私はどちらかと言うと③が好きです。バンドソーボックスの範疇(制約)を守りながらいろいろギミック的なアイディアを実現するのが楽しいですね。
いちばん苦手なのは②です。そもそもデザイン的なセンスを持ち合わせていませんから、作ってみたいものがあまり思い浮かびません。良い作品を観ると、そうかこんなのもいいなぁと感激しますが、自分ではなかなか思いつきません。でもそこにちょっと③の要素を入れると思いつくものが出てきます。
今回の作品はそんな方向性「②✛③」を持った作品です。その姿から勝手に想像して、気取った名前を付けてみました。”森のキノコ達(Mushrooms in the forest)”です。
こんなデザインで構造の強度が保てるのかな、というところが機構的な面白さだと独りよがりをしています。引き出しの最初の切り込み(バンドソーの入る位置)はすべて底面の中央付近とし、引き出しは枝に一つだけとすることで強度を維持しています。ところが幹の太い部分に余裕がありすこし物足りなく感じたので、丸い引き出しを付けてしまいました。実はこれが失敗で、強度はかなり低下してしまいました。後ろの板に若干厚いしっかりしたものを使ってどうにか持ちこたえています。大きさは宝石箱に丁度良いくらいです。
製作過程を動画にしてYouTubeにアップしました。
材料には5枚の合板(中央はシナアトピン)をカリンの板で挟んで使っています。 塗装には、オイル拭きのあとウレタンを吹き付けました。オイル拭きには上塗りはしないか、蜜蝋等のワックスで仕上げておくのが普通かと思いますが、オイル拭きした後の潤った美しさをそのまま残したいと思い、透明ウレタンの上塗りを試してみました。最初、練習に油性のウレタンを使って試してみたら、乾きが極端に遅くなり、いつまでもべとべとして綺麗に仕上がりません。多分、木肌からオイルが出てきて油性ウレタンに混ざったのだと思います。そこで、水性ウレタンに替えてみました。オイル拭きの上に水性塗料ですから乗るかなと思っていたのですが、これが結構綺麗な塗膜を作りました。乾燥も早いので、スプレーで3回吹き付けると美しい透明感が出てきました。問題はこの状態が長持ちするかどうかです。
さて、この箱から、森で幸せに暮らすキノコ達の姿をイメージできますでしょうか。
The template for this work is at the link below.
template-Bandsaw box “Mushrooms in the forest”