只今鋭意制作中の途中報告
― ペン収納ボックス(スライディング式蓋) ―
十数年前に凝っていたペン作りを再開しました。体調の不調により、友人同士とのゴルフコンペをサボっているのですが、何か賞品ぐらいは提供したいと思って、以前のブログで紹介したような作品(1,2)を作ってきましたが、今年の秋のコンペには、自作のペンの提供を考えています。海外のサイトでちょっとかっこいいゴルファー向けのペン金具を見つけたので注文しました。といっても、この投稿はペン作りのことではありません。いつものように、横道にそれるのですが、まず、作ったペンを収納しておくケースをバンドソーボックスで作ることにしました。昇降盤を使わない私の工作としては、今回はちょっとしたチャレンジになりました(大げさ)。
工業製品では、各部品の加工寸法等に、“公差” という許容値が設定されていますが、DIYでは特にそんな面倒なことはあまり考えません。家具などの大きさで、±1㎜、箱などの小物で±0.5mmというところかなぁという程度です。それも昇降盤やトリマー等を使っての場合です。バンドソーではそう簡単に出せる精度ではありません。多くの場合、加工後の現物合わせの微調整でごまかしてしまいます(私だけかもしれませんが)。
本来、バンドソーは、昇降盤に比べて精度の出しにくい機械ですが、バンドソーボックスという工作方法ははそれをうまく吸収しています。しかし、今回作る作品には、スライド式の蓋を組み込みました。これは、極細ブレードのPegasのスクロールバンドソーの特徴を生かして以前のブログで紹介したものです。スライドする蓋とそれを支える溝(ガイド部分)を一体で同時に切りとることができるので、現物合わせと同じように、スライド蓋と溝の組み合わせを良好に維持できる工作方法で、バンドソーボックスの特徴を生かしているとも言えます。しかし、スライドできる距離(蓋の長さ)は、Pegasのスクロールバンドソーの最大加工高(150㎜)で制限されて、それ以上広い開口部の箱を作れません。
そこで、今回はその制約を解消すべく、次の図のように、完成後の箱全体を真っ二つにした状態、つまり左右向き合った二つのブロックに分けて別々に作り、それを合体(接着)して一つの箱に仕上げることにしました。これで、最大加工高の倍近い開口のスライド式蓋の箱を作ることができます。
しかし構造からも想像できるように、この二つのブロックの寸法精度を高く仕上げないと、スライド式蓋の左右とその空間部分(Space section)の結合、および、幅広引き出しの左部分(Wide drawer section L)と右部分(Wide drawer section R)の結合がきれいにできずにそれぞれ一つの空間、一つの引き出しになりません。
また、スライド式蓋とそのガイドの形状は次の図のようにPegasのスクロールバンドソーでやっと切り取れるほどの細かいカーブを切り抜いて作ることになります。
このガイド溝部分(Guide groove section)はスクロールバンドソーの最大加工高に近い長さなので、ブロックの各面間が正確に鉛直になっていないと、ガイド溝部の加工ができません(蓋が滑らかにスライドしなくなったり、2つのブロックを結合して左右対称のスライド式蓋になりません)。
ということで、2つのブロックに分けて作るには、相当な精度(バンドソーとしてはという意味)が必要になります。今回は加工精度どして公差0.2㎜の目標を立ててみました。この精度を確認しながら加工するにあたって大変役立ったのは樹脂製のノギスです。シンワ測定(Shinwa Sokutei) ファイバーノギス
金属製の通常のノギスよりは測定精度が劣りますが、木工作には十分な測定精度です。何しろ、軽いし、木材に傷をつけないし、回転メータ表示で、使い勝手抜群です。比較的に廉価(3千円程度)なので、私は3本をバンドソーや工作台のそばに置いておいて、頻繁に測定しながら作業を進めました。
さて、実際の工作ですが、ブロックをそのまま精度よく作るのは結構大変です。そこで、比較的に正確に切り出せる小さなブロックを作って、それらを組み合わせて、目的の大きさのブロックにすることにしました。
- pen case
- pen case
- pen case
- pen case
ブロックの中央にシナアトピンの合板を挟んで見栄えをよくしました。
作戦は、精度を出す基本ブロックを2×4のパイン材とシナアトピン合板で作り、それを、ブビンガという材で覆うことで、高級感のあるペン収納箱に仕立てるということです。このブビンガ材はアフリカ産の赤褐色の高級材でかなり値が張った記憶があります。10年以上前に30㎜厚の板を木場で購入して大切に保管していました。きれいに表面処理をすればかなりゴージャスな雰囲気を出せるはずです。
このブビンガ材を、ブロックの表側上部に組み込んで、まず引き出し部分をくり抜きます。この引き出しの奥行きは、くり抜きに使用したスクロールバンドソーの最高加工高に少し余裕を持たせた長さに制限されます。しかし、ペンを収納するには10㎜程足りないので、奥行き方向に継ぎ足しを行います。その分、バンドソーボックスとしての裏板を厚くする必要が出ます。これらの加工を施して、引き出しを完成させます。
- pen case
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次に、ブロックの裏側上部にもブビンガ材を組み込んで、いよいよ、スライド蓋とガイド(溝)の工作で、今回の工作ではクライマックスです。この時、重要なのはブロック全体の面、特にスクロールソーのテーブル面に置く面とその側面が正確に鉛直になっていることです。普段のバンドソーボックスの引き出しを切り抜くときも、このことは当然気にはしますが、スライド蓋とガイドの切り抜きには別格の注意が必要です。作品の仕上がりに直接影響し、修正の効かない部分になるので、慎重にも慎重を重ねて、ブロックの形状(特に角度)を測りなおします。必要ならば、スクロールソーのテーブル面に置く面に薄いテープを張るなどして調整します。もちろん、スクロールソーのブレードがテーブルに対して垂直に立っているいことは大前提です。
- pen case
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とりあえず、現在、この準備を行っているところです。ブログを書いていても作品は出来上がらないので工作にもどります。





















