クラシックラジオの製作 -ミゼット型-
その1 構想と胴枠(丸い天板)の製作

      2020/05/26

Classical radio

構想
 ミゼット型のラジオを作っています。この型のラジオは、終戦前後の日本の茶の間のシーンでよく見かけます。日本ラジオ博物の資料によると、このミゼット型と呼ばれた砲弾型のラジオは1930年代前半に製造されていたようです。製造年代からすれば終戦後もしばらくの間は使われていたのでしょう。代表的なのはこの写真のようなデザインです。

今回製作する箱の中身には、3月に製作した5球スーパー真空管ラジオ(既報)を使う予定です。期待以上に感度も音質もよく、裸のシャーシーのままではもったいなくなって箱を作ることにしました。終戦間際の日本は技術的に米英に後れを取っていたことと、国内の各放送局のカバーするエリアが米国に比べて狭かったこと、そして短波放送の受信が制限されていたこともあり、あまり感度の良いラジオの需要はなかったようです。製作したラジオの回路は感度を求めたスーパーヘテロダイン方式であり、1930年代前半ではまだ日本の民生機には使われていなかった回路構成ようなので、このミゼット型ラジオに組み込むのは年代考証的には問題がありますが、そこはご愛敬です。

 この砲弾型はエレガントで、アンティークとしても見栄えのするデザインですが、いざ作るとなると天板の丸い曲面の作りが難題です。おそらく実際に使われた製作方法は、薄い板に熱を加えて柔らかくしてから型にはめて丸める、いわゆる“曲げ木”の方法だったと思われます。でもこの方法は、なかなか難しそうだし、道具(ベンディングアイロンなど)もないので断念しました。いろいろと考えましたが、いつものようにバンドソーを使いたかったので、天板を木の塊からくりぬくことにしました。木の塊といっても合板を重ねて作ることにしました。切り抜いた面の模様(木口)が均一にそろうようにするために、ちょっと費用が掛かりましたがシナ合板の共芯を使いました。

先ず、正面から見た形を段ボールを切り抜いて作り、中に入れるラジオの寸法も考慮して、全体の大きさのおおよその検討を付けました。

Classical radio

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チューニングのバーニアダイヤルを中央に配置して年代感出すことにしました。天板の直径と側板の高さが決まったら、実寸大の型紙を作り、それを使って、手持ちの600×900の材から最も経済的に切り出す手順を探しました。

天板と側面の作成
 ラジオの奥行きは大よそ200mmなので21mm厚の合板を10枚重ねる必要があります。直接200mm前後の厚さから私のバンドソーで切り出すのは無理だったので3つに分割して切り出して接合することにしました。

天板の面、特に分割して切り出したブロックをつないだ面は入念にサンディングして、塗装後につなぎ目がわからないようにします。こういう作業にはスピンドルサンダーが大活躍です。一応サンディングした各ブロックを重ねて接着します。接着後につなぎ目がわからなくなるよう再度入念にサンディングします。

ラジオの側面も、天板の面と同じ質感でつながるようにしたいので、天板と同じように重ねた合板から切り出した作りました。

これを天板の両脇に継ぎ足すことになります。正確に継ぎ足すために、平らな台としてバンドソーの台を工作台替わりにして、台の表面に正確な位置を書き込み、それに合わせて天板と側板を置いて接着することにしました。木工作には公差という考え方がありません。大きなものであればおおよそ0.5mm以下の精度で工作しておけば、多少のことは現物を組み立てる段階での追加加工でどうにかなりますが、比較的に小さな作品は、0.2~0.3mm程度で押さえておかないと出来上がりに無理が来ます。今回のように平らな面の出た工作台に正確に位置を書き、ノギスで測った工作物を置いて行けばかなりの精度が出ます。これでラジオの枠組みが出来上がりです。

台座となる袴の作成
 ラジオのおもて面(前板)と台となる袴の材料は桐です。桐はそりが出にくく工作がしやすくて、塗装の乗りも良い木材ですが、硬くはないので丁寧に扱わななければなりません。

正確に切り出した板を直角につないで袴の形を作り、その上に枠組みの内側となる板を置いて袴にします。この上に正確に胴枠が載ることになります。

 ここまでで最初の関門は通過しましたが、かなり疲れました。この後は前板の工作ですが、スピーカーネットをどうやってしっかりと張り付けるか、内蔵するラジオ本体との位置合わせ、塗装をどうするかなど、まだ難問は沢山残っています。一つ一つ問題を解決して、いろいろな工作方法を考えるのが楽しいですね。疲れましたが、まだ当分は楽しめそうです。頑張るぞー。Stay home, fight!

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