木製トロフィーの製作
― ゴルフとコントラクトブリッジ ―
今年初めに新しいスクロールソー(糸鋸盤)を導入しましたが、その導入動機は、斬新な機構への魅力、正直に言えば、面白い機械だから単純に“欲しい”という所有欲でした。何を作ろうかは、後から付いてくるというやつです。それが、狭い工房を木工機械が埋め尽くしている原因です。わかっちゃいるけどやめられないというやつですね。という反省の弁を述べましたが、今回の投稿は作品についてです。
今回作った木工アイテムのオリジナルは、海外の木工家が紹介している糸鋸盤で作れる作品例です。例えば、ENJOY TODAYや、LOVE WOODです。あまり整理されていない工房で、面白いオジサンが作っているので、なんだか親近感が湧きました。できあがった作品を一見すると、どうやって作ったのかと不思議に思ってくれる人が多いアイテムなので、ちょっとした余興で紹介できる木工作品です。
ゴルフコンペの木製トロフィー
わがままを許してくれる友人達と年に数回のゴルフを続けてきましたが、ここ数年、帯状疱疹後の後遺症に悩まされて、サボっています。そこで、欠席したコンペに何か商品モドキを提供しようと思って作ってみました。
90度回転するとENJOYと読めたりGOLFと読めます。
コントラクトブリッジセンター用の置もの
今後のむささき工房の充実になにか良いことがあるのではないかという下心で、妻の趣味に貢献できることはないかと考えていました。また、コントラクトブリッジは海外で広く親しまれているので、興味を持ってくれるサークルも多いのではないかと思い、作ってみました。ブリッジセンタの受付にでも飾ってもらえれば嬉しいです。
90度回転するとCONTRACTと読めたりBRIDGEと読めます。
それぞれ90度回転するとカードの種類が変わったり、台座部には文字CやBが現れます。
角材の直行する二つの面に異なる文字列(図柄)を記載してそれを切り抜くことにより、それぞれの面に見える文字がお互いに干渉しないで・・・。なんて難しい説明になってしまうのですが、作ってみると予想外に上手く出来あがって楽しい工作です。制作にあたって気を付けることが2つあります。
使える文字
一かたまりに繋がっていることが必須です。例えば“二”と言う漢字はこのままでは使えません。筆で書く時のように上下の横棒を繋いでおく必要があります。その意味では、英語のアルファベットは問題ないですね。漢字やハングル文字は多少変形できるとしてもなかなか難しそうです。アルファベットでも線の細いところは太くデフォルメしておかないと折れてしまいます。特に中心から外れて縦長になる部分が細いと折れやすいです。文字列“CONTRACT”の下から2番目の“C”は中心から外れた左側が弱くなるので全体を相当太くしておかないと作品がぐらぐらします。
文字と文字の間
縦に並べた文字のそれぞれの文字間がしっかりと繋がっていないと折れてしまいます。経験的には角棒の太さの1/3以上の幅で繋がっていないと不安です。アルファベットの場合縦に重なる部分があっても視覚的に読める場合が多いです。
パワーポイントで基本的な図面を作り、それに、上記の注意点を考慮した修正を加えて型紙とします。
今回使った型紙はこのブログの最下部でダウンロードできます。
製作使った機材について
用いたのは、冒頭に懺悔したように衝動買いした、PegasのScroll Sawです。やっぱり素晴らしいですね。音も振動も静かで夜中に作業していても気兼ねなく楽しめます。とにかく作業性が高く、中抜き部分での刃の差し替えなど、従来の機械では考えられないくらい簡単にできます。もう一つ新しい経験は、サンディングです、Pegas社からPegas SandPaper という、Pegasスクロールソー用に、刃と同じ感覚で取り付けられるサンドペーパーが発売されています。新しもの好きなので早速購入して使いました。これが優れものでした。スクロールソーで切削した面にサンディングをかけるために、刃の代わりにサンドペーパーを付けてサンディングするといのは全く理にかなっていて、切削面を大変効率よくサンディングできました。これは素晴らしい発明です。
もう一つ活躍したのは、3年前に同じく衝動買いしたPegas Scroll Band saw です。糸鋸盤がどうしても必要になるのは、図柄を中抜きする場合です。もちろん輪郭を切り取るような場合にも重宝しますが、その場合にはPegas Scroll Band sawの方がより細かい曲線を効率よく切り進むことができます。刃(ブレード)がバンドソーのように輪っかになっていますから、糸鋸のように中抜きには使えません。
この2つの機械を使い分けることでとても楽しく作業を進めることができました。
最後に、使った木材ですが、2×4のパイン材で38mm巾の角材を切り出すのが一番簡単ですが、もう少し硬くて重厚感を出したかったので、今回はビーチ(ぶな)の角棒を使いました。アマゾンで44mmのビーチの角棒が出ていたので、贅沢でしたがそれを使いました。少し硬いので、Scroll Band sawですいすい切っていたら煙が出てきて、切削面が焦げてしまいました。回転数を下げて(モータとのベルトをかけ直して)使いましたがそれでも焦げ目が残りました。こういうのも経験ですね。ご愛敬です。
以前はYouTubeに上げる製作動画を静止画のパラパラで作っていたのですが、最近は、カメラで長回しの動画を撮ってそれを編集することが多くなりました、その結果、うっかりしていると写真を撮るのを忘れていて、このブログに使う写真に困ることが増えてきました。ということで、制作過程に関してはYouTubeに上げた動画の紹介で済ませます。
You can download the pattern here.