映画
「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」
総裁選の盛り上がる今日この頃ですね。自民党の中とは言え保守派から革新派まで幅広く9名もの候補者が出てきてもうハチャメチャです。各候補者の演説が上手なので、自分がどの辺にいるのかわからなくなってきます。まぁ、超保守でもないし超リベラルでもないのでテレビやYouTubeで毎日の論戦を観て楽しんでいます。
政治的スタンスはともかく、最初の頃の演説で気になることがありました。高市早苗氏の演説の最後に、ある映画のことが語られていました。直接タイトルを言ってはいませんでしたが、タイムスリップとか特攻隊、女子高生などのワードを聞いて、前々から興味のあった映画であることはすぐにわかりました。「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」という最近の邦画です。まだ観ていなかったので早速U-NEXで鑑賞しました。
ストーリーは比較的に単純で、1945年、第二次大戦末期の日本にタイムスリップした女子中学生が特攻隊員の青年と出会い、時空を超えた恋物語が描かれています。タイムスリップと恋物語と言えば、以前に投稿した「Somewhere in time(いつか何処かで)」という洋画がありましたね。これは幾分ロマンティックで美しい映画でしたが、「あの花が咲く丘で、・・・・。」の方は、日本人としては辛い歴史的背景をベースにしているので胸の詰まるような思いが残ります。演出にはベタな場面もありますが、私のような年寄りを号泣させるには十分な力作でした。そして、ネタバレは避けますが、最後の場面に、ある意味の救いがあり(私にはそう思えました)、作者のメッセージもしっかりと伝わってきました。“誰かが命がけで守ろうとした未来に今私たちは生きている”
このメッセージに政治的背景はないと思います。歴史的な事実でありストレートに胸に刺さってきます。作者は汐見夏衛さんという若い女性の方ですが、きっと作者も、この時空を超えた事実を今の若者たちに伝えたかったのでしょう。私のような高齢者にも改めて伝わってきました。
パリ五輪の卓球で頑張った早田ひな選手が、帰国時の記者会見でちょっと唐突な言葉を残していました。
今したいことはとの記者の質問に、「1つはアンパンマンミュージアムにポーチをちょっと作っていきたいなと思っているのと、あとは鹿児島の特攻資料館に行って、生きていることを、そして、自分が卓球をこうやって当たり前にできていることは、当たり前じゃないってことを感じたいと思い、行ってみたいと思っています。」と語っていました。不思議なことを言う人だなぁ と思っていましたが、この映画を観終わって、きっと早田選手はこの映画を観たに違いないと確信しました。彼女にも作者のメッセージはしっかり伝わっていたのでしょう。純粋なアスリートですね。 そう言えば、映画の主人公の福原遥と早田選手にどことなく似ていますね。特に目のあたりかな。